食品ラップは、食材の鮮度を保ったり、
レンジで温めたりするときに便利ですよね。
でも、実は食品ラップには様々な種類があり、
それぞれにメリットと
デメリットがあることをご存じでしたか？
特に、塩素系のラップは添加物や
ダイオキシンなどの危険性が指摘されています。
そこで、今回は食品ラップの種類と
選び方について詳しく解説します。
食品ラップの種類
市販されている食品ラップは、
主に以下の4種類に分けられます。
・ポリ塩化ビニリデン (PVDC) のラップ
・ポリエチレン (PE) のラップ
・塩化ビニル樹脂 (PVC) のラップ
・ポリオレフィン (PO) のラップ
それぞれの特徴と用途を見ていきましょう。
ポリ塩化ビニリデン (PVDC) のラップ
ポリ塩化ビニリデンのラップは、
分子間の隙間が小さくバリア性が強いため、
機能性だけで見ると他の材質より優れた材質です。
耐熱性が高く、酸素や水分を通しにくいので、
保存に優れています。
臭い漏れも起こしづらいため、
キムチやチーズといった
発酵食品の保存にも優れ、
肉類や魚類の保存にも最適です。
長期保管にも適していて
冷蔵庫での保存においては大活躍します。
デメリットとしては
他の原料と比べてコストが少し高い点、
また燃焼時に塩素ガス発生のリスクを
少なからず含んでいます。
ポリ塩化ビニリデンを原材料にしたラップは
クレハのクレラップシリーズ、
旭化成のサランラップシリーズが有名です。
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価格:538円 |
ポリエチレン (PE) のラップ
ポリエチレンのラップは
ポリ塩化ビニリデンと比べると
保存性の面では劣りますが、
値段的に安く環境面に優しい
という点においては軍配が上がります。
塩化系の材質はダイオキシンが
発生するリスクもあるため、
最近ではポリエチレン製のラップも
注目を高めてきています。
また、ラップの中では
酸素を通しやすい材質でもあります。
基本的にラップは保存を目的とした
道具ですから酸素を通しやすい
バリア性が低いというのは
性能的に見て劣っていると考えざるおえません。
しかしフルーツ、野菜、チーズなど
ある程度食材に酸素を供給する
必要があるものに関しては
あえてバリア性の低いポリエチレンを
チョイスするのもオススメです。
ただし匙加減は難しいので
上級者向けのアイディアだとは思いますね。
ポリエチレンは耐熱性に乏しく、
レンジ使用に向かないため
単純な使い勝手だけでみると
あまりよいとはいえません。
ポリエチレンを使ったラップは
宇部フィルム株式会社の
ポリラップシリーズが有名。
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無添加ポリラップ 22cm*100m(2本セット)【ポリラップ】 価格:718円 |
また、ポリエチレンのラップは
無添加にこだわっている製品が多く
自然や身体にやさしい
ラップをコンセプトにしている製品が多いです。
塩化ビニル樹脂 (PVC) のラップ
塩化ビニル樹脂のラップは
一般家庭ではあまり使用されないラップですが
飲食店などの業務用として人気があります。
特徴は伸縮性と耐久性の高さ。
酸素や水分はポリ塩化ビニリデンよりも
通りやすい構造ですが、
蓋代わりにピッチリと容器を覆うことで
破れて食品にごみが混入する
リスクが少ないことから飲食店では重宝されます。
また野菜やフルーツなどの生ものを
鮮度を保ったまま保存したい飲食店では
塩化ビニリデンより酸素を通しやすく、
ポリエチレンよりも耐久性に優れた
塩化ビニルは使い勝手の良いラップなのです。
業務用途が多いためスーパーなどでは
取り扱いのないこともある塩化ビニルのラップ類。
日立化成の日立ラップなどが比較的有名でしょう。
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キッチニスタラップ 30cm×100m 昭和電工マテリアルズ 業務用ラップ 旧日立ラップ 価格:356円 |
ポリオレフィン (PO) のラップ
ポリエチレンが単層構造なのに対して
多層構造になっているのがポリオレフィンです。
多層構造になっていることで
ポリエチレンより保存性能と耐久性が高く、
熱にも強いという特徴があります。
加えて非塩素系素材ということで
ダイオキシン発生の心配もありません。
総合的な使い勝手から考えるとポリエチレンの
上位互換的な素材と考えていいでしょう。
近年環境問題への配慮などから
ポリオレフィン素材のラップは
徐々に人気を高めています。
避けるべき塩素系ラップ
前述したように、塩素系のラップは
添加物やダイオキシンなどの危険性が指摘されています。
具体的には以下のような問題点があります。
可塑剤:
ポリ塩化ビニリデンや塩化ビニル樹脂のラップには
可塑剤という添加物が含まれています。
可塑剤はラップを柔らかくするために必要なものですが、
高温になるとラップから溶け出して
食品に移行する可能性があります。
可塑剤にはホルモン様作用を持つものもあり、
内分泌系の乱れや生殖機能の低下などの
健康被害が懸念されています。
ダイオキシン:
塩素系のラップは燃やすと
ダイオキシンという有害物質が発生します。
ダイオキシンは発がん性や
免疫抑制作用などの強い毒性を持ち、
人体に蓄積されると排出されにくい
という特徴があります。
ダイオキシンはレンジで加熱することでも
発生する可能性があるため、
塩素系のラップはレンジ使用には向きません。
以上のように、塩素系のラップは添加物や
ダイオキシンなどの危険性が高いため、
避けるべきです。特に、高温になると
溶け出す可能性があるため、
レンジで温めるときや油っこい食品を包むときは
絶対に使わないようにしましょう。
プラスチック製品の危険性
食品ラップだけでなく、
プラスチック製品全般に注意が必要です。
プラスチック製品にはビスフェノールAや
フタル酸エステルなどの有害物質が
含まれている場合があります。
これらの物質もホルモン様作用を持ち、
内分泌系や生殖系への影響が心配されています。
また、プラスチック製品は環境問題も引き起こしています。
プラスチック製品は分解されにくく、
海洋や土壌に長期間残留して生態系を破壊しています。
特に微小プラスチックは魚や鳥などの動物に
飲み込まれて体内に蓄積され、
人間にも食物連鎖を通じて影響を及ぼす可能性があります。
安全なラップの選び方
では、安全なラップとはどういうものでしょうか？
安全なラップの選び方のポイントは以下のようになります。
非塩素系素材: 塩素系素材は添加物や
ダイオキシンなどの危険性が高いため、
非塩素系素材であるポリエチレンやポリオレフィンを選びましょう。
無添加:
可塑剤や防カビ剤などの添加物を含まない
無添加タイプのラップを選びましょう。
無添加タイプのラップは柔らかさや
伸縮性が劣る場合もありますが、
安心して使えます。
耐熱性:
レンジで温めるときには耐熱性の高いラップを選びましょう。
耐熱性の低いラップは溶け出して
食品に移行する可能性があります。
耐熱性の高いラップはパッケージに
「レンジ対応」と記載されています。
以上のように、安全なラップの選び方は
非塩素系素材、無添加、耐熱性の
3つのポイントに注意すればよいでしょう。
安全なラップを使って、
無添加ライフを楽しみましょう。
参照: 食品ラップの種類と選び方｜クレハ : クレハ｜クレラップ : 旭化成｜サランラップ : 宇部フィルム株式会社｜ポリラップ : 無添加食品ラップ｜無添加生活 : 可塑剤とは？その危険性と対策方法｜エコロジー・リサイクル・エネルギー : ダイオキシンとは？その危険性と対策方法｜エコロジー・リサイクル・エネルギー : ビスフェノールAやフタル酸エステルなどの有害物質を含むプラスチック製品に注意｜消費者庁 : プラスチックごみ問題とは？その影響と対策方法｜エコロジー・リサイクル・エネルギー :